「シミュレーションでわかる
水泳の力学」

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クロール

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バタフライ
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バタフライ


はじめに
バタフライは平泳ぎをもとに生み出された泳ぎですが, その原理は,平泳ぎよりはむしろクロールに近いと考えることができます. クロールが,手も足も左右を交互に動かすのに対して, バタフライの場合は手と足をそろえて動かします. ではバタフライの力学を見ていきましょう.

推進力の出るタイミング
まず「スイム?スワム?スワム!」でバタフライを呼び出しましょう. やり方は クロール のときと同じです. 呼び出したら,推進力(赤い線の水から受ける力の前向きの分)が どのタイミングで一番大きくなるか,手と足それぞれについて調べてみましょう. 調べ方もクロールのときと同じです.

どうでしょうか? 手については,4.52 かきめあたりで最大になると思います. これは手で水を押す「プッシュ」と呼ばれるタイミングです.

足についてはどうでしょうか? 4.48 かきめあたりの小さなキック, そして 4.91 かきめあたりの大きなキックで推進力(前向きの力)が出ていることがわかると思います. どちらのキックにおいても, クロールのときと同じように, つま先を伸ばしてけり下ろす時に推進力が出ていることがわかると思います. そのため,クロールのときと同じように, 足首の関節のやわらかさがバタフライでも重要です.

手と足の推進力の割合
クロールの項で見たように, クロールではほとんどの推進力は手によって出ていました. また 平泳ぎの項で見たように, 平泳ぎではむしろ足の推進力の方が大きいぐらいでした. バタフライでは,上の推進力の出るタイミングで見たように, 平泳ぎほどではありませんが,クロールよりは足の推進力の割合が大きいです. これは,クロールでは片足ずつのキックですが, バタフライでは両足のキックであり,全身を使ってけることができるためと考えられます.

では,クロールや背泳ぎのときと同じように, キックの大きさを変えてシミュレーションして,変化を見てみましょう. ソフトを起動し,バタフライを呼び出し, 「じょうけんをかえてシミュレーションする」をクリックします. そして右側の条件の「キックの大きさ(倍)」を見えるようにして, 大きさを 0.5 にしてみましょう. そして「このじょうけんでシミュレーションする!」をクリックして シミュレーションを開始します.

どうでしょうか? クロールのときと同じように,ずいぶんと下半身が沈むようになってしまったと思います. また,泳ぎの速さも,エネルギーの効率も,ずいぶんと低くなりました. 下半身が沈むようになってしまったのは,クロールのときと同じように, 大きく打ち下ろすキックによって, 下半身を持ち上げる上向きの力が出ていたからです. 逆に言えば,下半身が沈まないで体を水平に保つためには, しっかりとキックを打つことが重要であると言えます.

~ やってみよう ~
上の例では 0.5 だけでしたが, それ以外の値についてもシミュレーションしてみましょう. また,できれば,キックの大きさを横軸にして, 泳ぎの速さやエネルギーの効率を縦軸にして,グラフにしてみましょう.

(バタフライの項終わり)